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3年半越しの解決!!〜お子様のいらっしゃらないご夫婦の相続〜【解決事例】


 

今回は、お子様のいらっしゃらないご夫婦の相続において、解決までに「3年半」という長期間を要したケースをご紹介します。


 遺言書がない場合の相続がどれほど大変なものになるのか、実際の事例を通じてお伝えいたします。



事案の概要

2023年1月:妻・花子様ご逝去 相続人:夫の太郎様、および花子様の甥姪5名 2025年6月:夫・太郎様ご逝去 相続人:太郎様の甥姪14名



 花子様のご逝去に伴い相続手続きを進めていた最中、夫の太郎様が認知症を発症されました。そして、花子様の相続手続きが完了しないうちに、太郎様もお亡くなりになってしまったという複雑な事案です。



相続手続きで直面した3つの壁


本件において、解決までに大変だったポイントは大きく以下の3点です。


1. 2つの相続手続きの同時進行

 花子様の相続が終わらないうちに太郎様がお亡くなりになったため、結果的に「妻の相続」と「夫の相続」を同時に解決しなければなりませんでした。関係する相続人の数は、両家合わせて非常に大人数となりました。


2. 納骨や供養の方針が未定

 花子様、太郎様ともに、ご自身の納骨や供養に関する生前のご希望が定まっていませんでした。そのため、多数いらっしゃる相続人全員に意向調査を行い、今後の方針を一つにまとめる必要がありました。


  3. 空き家となった不動産の売却と意見調整

 ご自宅が空き家となったため、売却してその代金を相続人へ分配することになりました。しかし、「売却金額が安すぎるのではないか」といったご意見も上がり、売却に至るまでの金額調整が難航しました。関係者が多い分、意見をまとめるのに大変な時間を要しました。



解決のポイント:なぜ3年半もかかったのか?


 もし、花子様と太郎様がそれぞれ「遺言書」を作成されていれば、相続手続きは約6か月で終わっていたと考えられます。しかし、遺言書がなかったために、解決までに3年半もの歳月を要することになりました。

 

 その最大の理由は、「相続手続きは、相続人全員の意見が一致しなければ進めることができない」というルールがあるからです。

遺言書がない場合:

 遺産分割協議において、多数決は認められません。全員一致の合意が絶対条件となります。本件のように相続人が多数の場合、全員のハンコをもらうだけでも途方もない時間と労力がかかります。


遺言書がある場合:

 相続人全員の合意は不要です。原則として、遺言書に書かれた内容の通りに速やかに相続手続きを進めることができます。



手続きを終えて


  この度は、多数の相続人様のご意向に沿い、なんとか全ての手続きを完了させることができました。しかし、相続人の皆様には何度も何度も書類に目を通していただき、その都度ご捺印やご提出のご協力をいただくこととなり、大変なご負担をおかけしました。


 もし、花子様と太郎様が事前にお二人で遺言書を作られていたならば、残されたご親族にこれほど多大なご苦労をかけることなく、スムーズに手続きを進めることができたはずです。


 実は、太郎様も花子様のご逝去後に遺言書を作ろうとされていました。しかし、準備を進めている間に認知症が進行してしまい、結果的に遺言書を作成することができませんでした。




 「遺言書は、元気で意思能力がしっかりしているうちにしか作れない」




 この事実を痛感した事案でした。

 

 お子様のいらっしゃらないご夫婦にとって、遺言書は「残される配偶者」や「大切なご親族」を守るための重要なお守りです。手遅れになる前に、ぜひ一度ご自身の相続について考えてみてはいかがでしょうか。




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