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~後見制度のもとでも「想い」を遺すことができたケース~【解決事例】




▼ この事例のポイント(1分で分かります)


  • ご相談者 成年後見制度を利用されているAさん(成年被後見人)と、そのお父様。


  • お悩み 「後見制度を利用していると遺言はできない」と思い込み、大切ないとこへ財産を遺せるか不安。


  • 解決策

    医師2名立ち会いのもと、判断能力を確認する「特別方式」による公正証書遺言を作成。


  • 結果 「今の生活」を後見制度で、「死後の意思」を遺言で守る二段構えの備えが完了。ご自身の想いが次世代につながる確信を得て、将来への不安が消え、穏やかな日常を取り戻されました。



ご相談の背景


 成年被後見人のAさん(仮名)は、ご家族と共に生活されており、長年お父様が日常生活の支援や財産管理を担ってこられました。しかし、お父様のご高齢化に伴い、将来について不安を感じるようになり、ご相談をいただきました。


 お父様からは次のようなお話がありました。


「自分がいなくなったあと、この子の財産の行き先が分からなくなるようなことは避けたい。本人も、いとこに渡したいと言っているんです。」


 Aさんは言葉での表現が難しい部分もありましたが、何度も「◯◯ちゃんたちにあげたい」といった意思を示されており、ご自身なりの形で気持ちを伝えてくださいました。

 将来のことを考え、大切ないとこへ財産を残したいというAさんの想いを、どのように法的な形で残すかが今回のご相談でした。



司法書士からの提案とサポート


 成年後見制度のもとにある方でも、一定の条件を満たす場合には遺言を作成することが可能です。


 成年被後見人が遺言を作成する場合には、医師2名の立会いのもとで遺言能力を確認する特別方式が必要となります。


 当事務所では、Aさんとお父様の想いを尊重し、次のようなサポートを行いました。


● 医師2名立会いによる公正証書遺言の作成(特別方式)

 医療機関の協力を得て、公証人・医師・証人が立ち会う形で、ご本人の意思を丁寧に確認しながら公正証書遺言を作成しました。


● 分かりやすくシンプルな遺言内容

 ご本人の意思が明確に伝わるよう、できるだけシンプルな表現で遺言内容を作成しました。


● 遺言執行体制の整備

 遺言執行者には司法書士法人を指定し、将来の相続手続きや財産の引き渡し手続きを専門家が対応できる体制を整えました。



遺言書の完成

 医療機関の施設において、医師2名、公証人、証人(司法書士および補助者)が立ち会い、公正証書遺言が作成されました。

 ご本人の意思を確認しながら、丁寧に手続きを進めることができました。


【この事例のポイント】


● 成年被後見人でも遺言を作成できる場合がある

 成年後見制度を利用している場合でも、医師の確認を経ることで、有効な遺言を作成できるケースがあります。制度の枠組みの中でも、本人の意思を形にすることが可能です。


● 専門家による遺言執行で安心

 相続手続きは手続き面だけでなく感情面の問題が生じることもあります。遺言執行者を専門家にすることで、相続人の負担を軽減し、手続きを円滑に進めることができます。



まとめ

 「後見制度を利用していると遺言はできない」と思われている方も少なくありません。しかし、Aさんのように意思確認が可能な場合には、法的に有効な遺言を作成できる可能性があります。

 言葉が少なくても、表現が難しくても、ご本人の想いを丁寧にくみ取り、法的な形にすることは可能です。

 Aさんの選択は、ご本人の人生の想いを形にしたものであり、ご家族にとっても大切な贈り物となりました。





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