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成年後見制度と遺言の併用:おひとり様の「今」と「未来」を守る備え【解決事例】






▼ この事例のポイント(1分で分かります)


  • ご相談者 身寄りがなく、成年後見制度(補助)を利用しながら一人暮らしをされているAさん。


  • お悩み ご自身の死後、財産がどうなるのか不安があり、「確実に社会の役に立てる形にしたいが、自分一人では手続きが難しい」という悩み。


  • 解決策

    • 公正証書遺言の作成:補助人の同意のもと、教育支援団体への寄付(遺贈)を明記した確実な遺言書を作成。

    • 遺言執行者の指定:司法書士を遺言執行者に指名し、死後の銀行解約や寄付手続きをプロが代行する体制を構築。


  • 結果 「今の生活」を後見制度で、「死後の意思」を遺言で守る二段構えの備えが完了。ご自身の想いが次世代につながる確信を得て、将来への不安が消え、穏やかな日常を取り戻されました。



判断能力が衰えてきて、将来を考える


 Aさんは長年一人暮らしをされており、家族や近しい親族もいない中で、将来の生活ご自身の死後の手続きについて不安を感じておられました。


 また、判断能力の一部に不安が出てきたことから成年後見制度を利用し、補助人として地域の社会福祉士が就任。日常生活や金銭管理について支援を受けながら生活されていました。

 その後、補助人である社会福祉士を通じて当事務所をご紹介いただき、次のようなご相談をいただきました。


  • 自分の財産を、亡くなった後に社会の役に立ててほしい

  • 死後の手続きや財産整理を信頼できる第三者に任せたい

  • 自分の意思を残しておかないと、財産の行き先が不明確になるのではないかと心配している


想いをカタチに


 Aさんのご意思や現在の法的状況を踏まえ、次のような方法をご提案しました。


公正証書遺言の作成

 補助人の同意を得たうえで、遺言内容をより確実な形で残すため、公正証書遺言の作成をご提案しました。公正証書遺言とすることで、将来の相続手続きを比較的円滑に進めることが期待できます。


遺言執行者の指定

 遺言の内容を実現するため、司法書士法人を遺言執行者として指定する方法をご提案しました。これにより、金融機関の解約手続きや財産の整理、葬儀費用の支出など、死後に必要となる各種手続きを専門家が対応できる体制を整えました。


遺贈先の明確化

 Aさんの「子どもたちの役に立てたい」というお気持ちを踏まえ、教育支援活動を行う公益的な団体へ財産を遺贈する内容としました。



誰かの役に立てるという喜び

 補助人である社会福祉士の立ち会いと協力のもと、Aさんは公証役場において公正証書遺言を作成されました。

 遺言作成後、Aさんは「これで安心して過ごせます。自分が亡くなったあとでも、誰かの役に立てると思うと嬉しいです」と穏やかな表情で話されていました。




【司法書士の視点】


成年後見制度と遺言の併用

 判断能力に不安がある場合でも、状況に応じて本人の意思を尊重した遺言を作成できる場合があります。適切な支援体制のもとで進めることが重要です。こうした意思決定を支援する制度として成年後見制度などの仕組みが整備されています。



社会貢献型の遺贈

家族がいない場合でも、遺言によって財産の使い道を社会に託すことができます。教育や福祉分野への遺贈を希望される方も増えています。



信頼できる執行体制

専門家を遺言執行者として指定することで、死後の事務手続きが円滑に進み、本人の意思の実現につながります。



まとめ

 この事例では、成年後見制度の支援を受けながら、Aさんがご自身の意思を遺言という形で整理し、将来への不安を軽減することができました。

 相続対策や遺言は、家族の有無に関わらず、自分らしい人生の締めくくりを考える大切な手段の一つです。早めに準備しておくことで、ご本人の安心にもつながります。





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