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遺言書は「公正証書」で作るべき?自筆との違いや費用、県内の公証役場・手続きガイド

更新日:12月16日

「うちは仲が良いから」が一番危険です

「遺言書なんて、大金持ちが書くものでしょ?」

そう思っていませんか?実は、家庭裁判所で扱われる遺産分割事件の約75%は、遺産額5,000万円以下の一般的なご家庭で起きています。

「実家の分け方で兄弟が揉めた」「長男の嫁が口を出してきて話がまとまらない」

こうした悲劇(争族)を防ぐ唯一の方法が、元気なうちに「遺言書」を残すことです。

本記事では、失敗しない遺言書の作り方と、山口県で手続きを行うための具体的な流れを解説します。


1. 「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の違い(比較表)

遺言書には大きく分けて、自分で書く「自筆証書遺言」と、公証人に作ってもらう「公正証書遺言」があります。

プロの視点から言えば、法的な確実性が高い「公正証書遺言」を強く推奨します。

比較項目

自筆証書遺言(自分で書く)

公正証書遺言(プロが書く)

作成方法

全文自筆(財産目録はPC可)

公証人が口述筆記で作成

費用

無料(保管制度利用は3,900円)

資産額による(数万円〜)

無効リスク

あり(日付漏れ、押印忘れ等)

なし(公証人が作成するため確実)

紛失・改ざん

あり(自宅保管の場合)

なし(公証役場で原本保管)

死後の手続き

「検認」が必要(数ヶ月かかる)※

「検認」不要(すぐに手続き可)

※法務局の保管制度を利用した場合は検認不要。

結論: 費用はかかりますが、「確実に家族に想いを残す」なら公正証書遺言一択です。

「せっかく書いたのに、形式不備で無効になった」というケースが後を絶たないからです。


2. コストを抑えたいなら「自筆証書遺言書保管制度」

「どうしても費用をかけたくない」という方には、2020年から始まった「法務局での保管制度」をおすすめします。

  • メリット: 手数料が3,900円と安く、法務局で形式チェックを受けられるため無効リスクが減ります。また、紛失の心配もありません。

  • 注意点: 内容の法的妥当性(これで揉めないか?)まではアドバイスしてくれません。中身の相談は司法書士にお任せください。


3. 公正証書遺言を作成する流れ(山口県版)

公正証書遺言を作るには、「証人2名」の立会いと、公証役場での手続きが必要です。

  1. 必要書類の収集

    • ご本人の印鑑証明書(3ヶ月以内)、戸籍謄本。

    • 財産をもらう人(受遺者)の住民票や戸籍謄本。

    • 不動産の「登記事項証明書」と「固定資産評価証明書」(市役所で取得)。

  2. 公証人との事前打ち合わせ

    • お近くの公証役場へ行き(または電話)、遺言の内容を伝えて文案を作ってもらいます。

  3. 証人2名の手配

    • 注意: 推定相続人(子供など)やその配偶者は証人になれません。

    • ★当事務所のサポート: 司法書士やスタッフが証人として立ち会うことが可能です。

  4. 作成当日

    • 公証役場へ出向き、内容を確認して署名・実印を押印します。


4. 山口県内の公証役場リスト(どこに行けばいい?)

山口県内には6つの公証役場があります。住所地に関係なく、県内どこの役場でも作成可能です。

※防府市や長門市、美祢市には公証役場がないため、近隣の役場へ行く必要があります。

エリア

公証役場名

所在地

山口・防府エリア

山口公証役場

山口市黄金町3-5(防府の方はここが最寄り)

周南・下松エリア

徳山公証役場

周南市御幸通2-12

萩・長門エリア

萩公証役場

萩市瓦町16

岩国・柳井エリア

岩国公証役場

岩国市山手町1-16-10

下関エリア

下関唐戸公証役場

下関市中之町6-4

宇部・小野田エリア

宇部公証役場

宇部市寿町3-8-21

「足が悪くて役場まで行けない」という場合は、公証人に自宅や病院まで出張してもらうことも可能です(別途日当・交通費が必要)。


遺言書は「家族への最後のラブレター」

遺言書作成は、決して死ぬ準備ではありません。残された家族が仲良く暮らせるようにするための、人生最後の「家族孝行」です。

「何を書けばいいかわからない」「証人がいない」

そんな時は、やまぐち中央事務所にご相談ください。文案の作成から証人の立会いまで、トータルでサポートいたします。




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