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認知症で「資産凍結」させない!家族信託と任意後見、どっちを選ぶ?違いと賢い併用術

更新日:12月16日

「元気なうちに」しか、親を守る契約はできません

「親が少し物忘れをするようになったけれど、まだ大丈夫だろう」

そう思っている間に認知症が進行し、ある日突然、銀行でお金がおろせなくなる(口座凍結)ケースが後を絶ちません。

認知症と診断され「判断能力がない」とみなされると、定期預金の解約も、実家の売却も、介護施設の入所契約も、本人名義では一切できなくなります。

手遅れになる前にできる対策として「家族信託」と「任意後見」がありますが、この2つは「できること」が全く違います。

本記事では、山口県のご家族にとって最適なプランを見つけるための判断基準を解説します。


1. 家族信託と任意後見、何が違うの?(役割分担表)

簡単に言うと、「お金と不動産の管理」が得意なのが家族信託「身の回りのお世話(契約)」が得意なのが任意後見です。

比較項目

家族信託(お財布の管理)

任意後見(身の回りの手続き)

主な目的

資産の積極的な運用・処分

本人の生活・療養の保護

不動産の売却

◎ 得意(受託者の判断で即売却可)

△ 苦手(家庭裁判所の許可が必要)

施設・病院の手続き

× できない(身上監護権がない)

◎ 得意(代理人として契約可能)

監督する人

家族(または信託監督人)

家庭裁判所が選ぶ監督人

ランニングコスト

原則0円

月額1〜3万円程度(発動後)


2. 「実家を売るかもしれない」なら家族信託が必須

山口県でよくある悩みとして「親が施設に入ったら、空き家になる実家を売って費用に充てたい」というケースがあります。

この場合、「任意後見」だけでは不十分なことが多いです。なぜなら、任意後見人が実家を売るには「家庭裁判所の許可」が必要で、「本当に今売る必要があるのか?(手持ち現金で足りるのでは?)」と厳しく審査されるからです。

一方、「家族信託」で実家を信託しておけば、裁判所の許可なく、息子さん(受託者)の判断でスムーズに売却できます。


3. 「入院手続き」には任意後見が必要

逆に、家族信託の弱点は「身上監護(しんじょうかんご)」ができないことです。

例えば、親が骨折して入院する際や、介護施設に入所する際の「身元引受人・連帯保証人」としてのサインは、信託契約ではカバーできません。ここで役立つのが「任意後見契約」です。


4. 最強の対策は「ハイブリッド(併用)」です

そこでお勧めするのが、両方のいいとこ取りをする「家族信託+任意後見」のセット契約です。

  • お金・不動産 → 「家族信託」で子が自由に管理・活用する。

  • 病院・施設の手続き → 「任意後見」で子が代理権を持つ。

これにより、資産凍結リスクを完全に防ぎつつ、親御様の生活を最後までサポートできます。


5. 山口県内での公正証書作成(手続きガイド)

これらの契約は、将来のトラブルを防ぐために必ず「公正証書」で作成します。作成は県内の公証役場で行います。

【山口県内の公証役場一覧】

手続きは「住所地」に関係なく、県内どの役場でも可能です。

エリア

最寄りの公証役場

所在地

山口・防府

山口公証役場

山口市黄金町3-53

周南・下松

徳山公証役場

周南市御幸通2-123

宇部・小野田

宇部公証役場

宇部市寿町3-8-213

下関

下関唐戸公証役場

下関市中之町6-43

岩国・柳井

岩国公証役場

岩国市山手町1-16-103

萩・長門

萩公証役場

萩市瓦町163

※当事務所にご依頼いただければ、公証人との文案調整から当日の立会いまでフルサポートいたします。


認知症になってからでは「手遅れ」です

一番怖いのは、「まだ大丈夫」と思っている間に認知症が進行してしまうことです。一度判断能力を失うと、家族信託も任意後見も契約できません。残された道は、使い勝手の悪い「法定後見制度」のみとなってしまいます。

「親の記憶がしっかりしているうちに」

まずは、やまぐち中央事務所の無料診断で、ご家庭に合った対策(信託だけか、併用か)を確認してみませんか。




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