【2026年最新】不動産管理の新制度「所有不動産記録証明制度」
- 司法書士法人・行政書士やまぐち中央事務所

- 2月16日
- 読了時間: 3分

自分の土地をリスト化できる「所有不動産記録証明制度」の光と影
これまで、日本の不動産管理には大きな悩みがありました。それは、「誰がどこに土地を持っているか、本人ですら正確に把握するのが難しい」という問題です。
親が亡くなった後、どこの馬の骨ともわからない(?)山林や空き地が見つかって困る……。そんな事態を防ぐために始まったのが、「所有不動産記録証明制度」です。
1. どんな制度?「自分(家族)の持ち物リスト」が手に入る!
これまでは、特定の土地の住所(地番)がわからないと、その情報の確認(登記簿の取得)ができませんでした。
しかしこの新制度では、法務局に対して「私の名義の不動産をすべて教えてください」と申請することで、全国の登記データからあなたの持ち物を一覧表にして発行してくれます。
相続の漏れを防げる: 亡くなった方の名義で検索すれば、家族も知らなかった土地が見つかります。
義務化対策になる: 今後、相続登記や住所変更登記が義務化され、放置すると「過料(罰則)」が科されます。このリストがあれば、未登記の物件を洗い出せます。
2. ここが落とし穴!「住所」が違うとリストに出てこない?
非常に便利な制度ですが、実は「致命的な弱点」があります。それは、システムが「氏名」と「住所」の完全一致で検索しているという点です。
引っ越しで住所が変わっている場合:
30年前に「山口県山口市」に住んでいた時に買った土地があるとします。現在「山口県防府市」に住んでいるあなたが、今の住所で検索をかけても、その土地はリストに載ってきません。システム上は「同姓同名の別人」と判断されてしまうからです。
「名義人の表記ゆれ」に弱い:
「渡辺」と「渡邊」といった漢字の違いや、旧姓のまま放置されている場合も、検索から漏れるリスクがあります。
3. メリット・デメリット比較表
メリット(できること) | デメリット(注意点・限界) |
全国の不動産を一括検索できる | 登記簿の住所が古いとヒットしない |
相続時の「宝探し」状態を解消できる | 過去の住所すべてで検索し直す手間がある |
オンライン申請で手続きがスピーディ | 取得には手数料と本人確認書類が必要 |
4. 私たちはどう動くべきか?
この制度を120%活用し、将来のトラブル(罰則)を避けるためのステップは以下の通りです。
まずは「今の住所」でリストを取ってみる。
漏れがある場合、過去の住所(実家など)でも検索をかける。
※過去の住所は、役所で「戸籍の附票」などを取れば辿れます。
リストに載った不動産を「最新の住所」に登記し直す。
※2026年4月からは、住所変更の登記も義務化されます。
むすびに
「所有不動産記録証明制度」は、いわば国が用意してくれた「不動産の棚卸しツール」です。しかし、ツールを使いこなすには「住所のメンテナンス」という下準備が欠かせません。
「自分の資産を正しく把握し、次の世代にクリーンな状態で引き継ぐ」。そんな新しい不動産管理の時代が、今年から本格的に始まっています。


