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相続人が複数いる場合の「遺産分割協議」完全ガイド。揉めない進め方と、銀行・不動産の名義変更ルール

更新日:12月16日

兄弟仲が良くても「お金」の話は別です

「うちは家族の仲が良いから、話し合いですぐ決まるはず」

そう思っていたご家庭ほど、いざ相続が発生すると「誰が実家を継ぐか」「介護をした分の謝礼がほしい」といった意見の食い違いで泥沼化するケースが後を絶ちません。

相続人が複数いる場合、全員の合意がなければ、預金一円たりとも引き出すことはできません。

本記事では、後悔しない遺産分割協議の進め方と、山口県での具体的な手続き(銀行・法務局・裁判所)について解説します。


1. 遺産分割協議を始める前の「2つの準備」

いきなり話し合いを始めると感情論になりがちです。まずは客観的な事実を揃えましょう。

  1. 相続人の確定(戸籍収集)

    亡くなられた方の「出生から死亡まで」の戸籍謄本をすべて集め、誰が法的な相続人かを確定させます。

    • 注意点: 認知していた子や、前妻との間の子など、想定外の相続人が判明することもあります。

  2. 相続財産の調査

    「プラスの財産(不動産、預金)」だけでなく、「マイナスの財産(借金)」もしっかり調査します。

    • 山口銀行・西京銀行の場合: 口座の名義人が亡くなったことを銀行が知ると、その時点で口座は凍結されます。


2. 「実家」をどう分ける? 4つの分割方法

金銭は1円単位で分けられますが、実家などの不動産はそうはいきません。以下の4つの方法から選びます。

方法

内容

メリット・デメリット

① 現物分割

土地は長男、預金は次男、と財産ごとに分ける。

最も簡単ですが、価値に差が出やすく不公平感が出やすい。

② 代償分割

長男が実家を継ぐ代わりに、長男が次男に現金(代償金)を払う。

公平ですが、実家を継ぐ人に「現金の支払い能力」が必要です。

③ 換価分割

実家を売却し、現金を山分けする。

山口県の空き家対策として合理的ですが、住みたい人がいる場合は使えません。

④ 共有分割

実家を「長男1/2、次男1/2」の共有名義にする。

【要注意】問題の先送りです。 将来売却するときに全員のハンコが必要になり、次世代で必ず揉めます。

専門家のアドバイス:

とりあえずの「共有分割」だけは避けてください。将来、権利関係が複雑になり、空き家放置の原因となります。


3. 山口県での手続き先ガイド(銀行・裁判所)

話し合いがまとまったら「遺産分割協議書」を作成し、全員の実印を押します。これが手続きのパスポートになります。


地元銀行(山口銀行・西京銀行)での手続き

遺産分割協議書を持って、解約・払戻しの手続きに行きます。

  • 山口銀行の場合:

    所定の「相続手続依頼書」に加え、亡くなった方の出生からの戸籍、相続人全員の印鑑証明書などが必要です。

    ※残高証明書の発行にも、相続人であることの証明書類が必要です。


話し合いが決裂した場合:山口家庭裁判所

どうしても当事者だけで話がまとまらない場合は、家庭裁判所の「調停」を利用することになります。

調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。

相手方(他の相続人)の住所

管轄の裁判所

山口市、美祢市(一部)、防府市

山口家庭裁判所 本庁(山口市)

周南市、下松市、光市

周南支部

岩国市、柳井市周辺

岩国支部

宇部市、山陽小野田市

宇部支部

※調停は平日に行われ、期間も1年以上かかることが珍しくありません。「調停になる前に」専門家を交えてまとめるのが得策です。


協議書作成は「プロ」にお任せください

遺産分割協議書は、書き方を間違えると法務局や銀行で受け付けてもらえず、「全員の実印をもらい直し」になるリスクがあります。

特に、相続人が遠方に住んでいる場合や、面識のない相続人がいる場合は、精神的な負担も大きくなります。

「円満に、かつ確実に手続きを終わらせたい」

そうお考えの方は、まずはやまぐち中央事務所の無料相談をご利用ください。戸籍の収集から協議書の作成まで、フルサポートいたします。




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